3月2日、米国のドナルド・トランプ大統領はソーシャルメディア上で、米国が戦略的暗号資産準備を設立することを正式に発表しました。この準備にはビットコイン（BTC）、イーサリアム（ETH）、リップル（XRP）、ソラナ（SOL）、およびADA（カルダノ）が含まれます。この発表を受け、暗号資産市場は急騰し、わずか3時間で市場価値が3,000億ドル以上増加しました。
ビットコインの急上昇、市場の素早い反応
このニュースが広まると、ビットコインの価格は急上昇し、94,000ドルを突破しました。これは近年の最高値であり、過去最高値まであと16%の上昇となります。同時に、リップルは33%、ソラナは22%、ADAは60%の値上がりを記録しました。
トランプ氏は、「バイデン政権は長年にわたり暗号資産業界に対して不公平な抑圧を行ってきたが、私は米国を世界の暗号資産ハブにする」と述べ、ビットコインとイーサリアムが戦略準備の中心的な資産になることを強調しました。
今回の発表は、米国政府が暗号資産を単に保有するだけでなく、定期的かつ積極的に購入していくことを明確に示すものであり、市場は米国政府の本格的な暗号資産参入に大きな期待を寄せています。
戦略準備の意義
業界の専門家は、米国政府が実際にビットコインを購入する可能性はこれまでの予想よりも高いと考えています。暗号資産アナリストのMacroScope氏は、「トランプ政権のこの動きは、暗号資産に対する強力な政策的支持を示している。ただの言葉だけではない」と指摘しました。
1月16日には、『ニューヨーク・ポスト』が、トランプ氏が「アメリカ・ファースト」暗号資産準備の設立を計画していると報じました。この準備は、ソラナ（Solana）、USDコイン（USDC）、リップル（XRP）などの米国発の暗号資産を優先的に投資するものとされていました。しかし、トランプ氏は後に「ビットコインとイーサリアムが依然として戦略準備の中心である」と明言しました。
暗号資産サミットの開催、さらなる好材料が期待
トランプ氏の暗号資産顧問であるデイビッド・サックス氏は、3月7日にホワイトハウスで初の暗号資産サミットを開催すると発表しました。このサミットでは、さらなる暗号資産が戦略準備リストに追加される可能性があります。
また、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏は以前、米国政府がブロックチェーン技術を活用して財政支出を管理することを提案しました。この提案が採用されれば、年間6.9兆ドルの政府予算がブロックチェーン上で管理されることになり、透明性の向上と監査コストの削減が期待されます。
注目すべき点として、トランプ氏は当初、米国政府が220万～400万BTCを購入することを提案していましたが、現在の戦略準備の範囲は他の暗号資産にも拡大されています。その背景については明確な説明がありません。
米国政府による暗号資産支援の最新動向
現在、米国政府は暗号資産業界を支援するために以下の措置を講じています：
暗号資産に前向きな姿勢を持つ官僚が証券取引委員会（SEC）を指導。
暗号資産を支持する大統領が在任中。
戦略的暗号資産準備の正式な発表。
SECが複数の暗号資産関連訴訟を撤回。
トランプ氏が自身のミームコインを発行。
SECがミームコインを証券とは見なさないと発表。
これらの動きにより、トランプ政権は米国史上最も暗号資産に友好的な政府となっています。
トランプ氏が長年抱いてきた暗号資産戦略準備の構想
トランプ氏は2024年の大統領選挙キャンペーン中から、戦略的暗号資産準備の構想を繰り返し提案してきました。そして、1月の就任直後に、大統領令を発行し、国家デジタル資産準備の実現可能性を評価し、関連計画を推進するよう連邦機関に指示しました。
また、上院議員のシンシア・ルミス氏は、「5年間で100万BTCを購入し、ビットコインの総供給量の5%を米国政府が保有する」という法案を提案しました。彼女は2023年7月の「ビットコイン・ナッシュビル会議」でこの提案を最初に発表しており、当時大統領候補であったトランプ氏も同会議で暗号資産支持のスピーチを行いました。
ソラナ、リップル、トランプ氏の関係
興味深いことに、トランプ氏の暗号資産顧問であるデイビッド・サックス氏は、ソラナに投資しているMulticoin Capitalの投資家でもあります。ソラナは高速取引と低手数料が特徴であり、今後の成長が期待されるブロックチェーンプロジェクトの1つです。さらに、トランプ氏のミームコイン「TRUMP」もソラナのブロックチェーン上で構築されています。
一方、リップルは米国証券取引委員会（SEC）との長年にわたる法廷闘争を続けています。しかし、最近ではワシントンでの政治的影響力を強化し、暗号資産関連の政治団体やトランプ氏の2025年大統領就任基金に多額の寄付を行っています。
トランプ氏の動きは、米国の暗号資産採用における歴史的な一歩を示す
トランプ政権の最新の決定は、米国の暗号資産に対する姿勢が大きく変化していることを示しています。戦略的準備の設立、規制環境の改善、さらなる支援の拡大により、米国はデジタル資産の世界的な中心地へと向かっています。
ホワイトハウスの暗号資産サミットが近づくにつれ、市場はさらなる好材料を迎え、ビットコインやその他の暗号資産の価格がさらに上昇する可能性があります。もし米国政府が大規模なビットコイン購入を開始すれば、暗号資産市場はかつてない強気相場に突入するかもしれません。
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